事件の概要

　　2023年3月、深センの某越境電子商取引會社は米國での商標(biāo)権侵害訴訟の判決により自社のAmazon口座から20萬米ドルが引き落とされたことを突然知った。集佳はこの事件を請け負(fù)った後に、真っ先に事件の事実の整理に協(xié)力した結(jié)果、この事件について2021年6月にはすでに最終的な欠席判決が下され、この被告が原告の米國WHAM-O HOLDING, LTD社の第72053914號「HULA-HOOP」（第28類）の米國での商標(biāo)権を侵害したことが認(rèn)定され、かつ原告への20萬米ドルの賠償を命じる判決が下されていたことが分かった。被告の口座が2023年3月に満額であったことから、この金額が引き落とされた。

　　當(dāng)事務(wù)所とこの越境電子商取引會社による関連事件の事実の調(diào)査を経て、同社のAmazonメールボックスが原告または裁判所が電子送達(dá)を行った起訴狀、召喚狀および判決書をまったく受信しておらず、商標(biāo)権侵害の疑いにより、商品リンクが解除された旨のメールを受け取っただけであったが、そのメールでは具體的な権利侵害情報が明確にされておらず、関連の事件番號も告知されていなかった。

　　事件の判決が下されてからすでに2年近くが経過していたことから、集佳は直ちに対応に著手した。2023年4月、當(dāng)事務(wù)所は訴訟事件の審査のやり直しを求めて、イリノイ州の連邦地方裁判所に「判決取消動議」を提出した。また、原告に圧力をかけるために、當(dāng)事務(wù)所は原告の先行商標(biāo)に対して無効審判を請求し、今後の訴訟および和解交渉を有利に進(jìn)め、和解により事件を終結(jié)に持ち込めるようにした。

　　しかし當(dāng)事務(wù)所が「判決取消動議」を提出後、原告は「判決取消動議」の審理の先送りを提起し、かつ文書の送達(dá)を調(diào)査するために、管轄権開示を申し立てた。米國の開示手続きの要件に基づき、當(dāng)事務(wù)所は20日間という短い期間に原告弁護(hù)士との會議を重ね、かつ相手方と複數(shù)の開示文書を交換した。2023年6月、當(dāng)事務(wù)所が無効審判および権利侵害訴訟手続きを通じて圧力をかけ、原告が電子送達(dá)に関する証拠を提出できないという弱點を利用することにより、和解交渉を重ねた末、最終的に原告との間で和解合意書を締結(jié)した。これにより、當(dāng)事務(wù)所は被告が受けた判決の賠償金の大部分を取り戻すのに協(xié)力し、経済的損失の挽回に成功した。

　　弁護(hù)士の講評

　　本件被告は答弁期間を逃したことにより、欠席判決を受けた。米國の法律の規(guī)定によると、判決取消動議を通じて発効から2年が経過した判決を取り消すことはかなり難度が高く、十分に合理的な理由があることを証明し、かつ速やかな措置を講じることが必要である。関連事例を検索しても、成功事例は數(shù)少ない。しかし本件原告には送達(dá)において確かな瑕疵があり、かつその米國登録商標(biāo)の有効性を維持しなければならないという心理的な弱點を突いて、集佳チームは米國の弁護(hù)士の意見を取り入れ、「無効審判」および「訴訟のやり直し」により二重に圧力をかけるという戦略を速やかに策定し、行政手続きおよび民事訴訟手続きを組み合わせる方法を通じて取り進(jìn)め、僅か2か月で、最終的に和解を?qū)g現(xiàn)させた。

　　事件の概要

　　上海萬翠堂餐飲管理有限公司（以下、「萬翠堂公司」という）は第12046607號登録商標(biāo) 、第17320763號登録商標(biāo)、第23986528號登録商標(biāo)「 」の権利者であり、各商標(biāo)の指定役務(wù)に第43類宿泊施設(shè)、飲食店などが含まれ、いずれも有効期間內(nèi)にある。2021年5月21日、萬翠堂公司は溫江五阿婆青花椒魚火鍋店（以下、「五阿婆火鍋店」という）が店の看板に「青花椒魚火鍋」の文字を使用していることを発見し、五阿婆火鍋店がその商標(biāo)権を侵害したことを理由に法院に訴訟を提起し、五阿婆火鍋店に侵害行為の即刻停止および萬翠堂公司への経済的損失と合理的支出計5萬元の賠償を請求した。一審法院は、五阿婆火鍋店の行為は商標(biāo)権侵害を構(gòu)成すると判斷し、五阿婆火鍋店に権利侵害の停止および経済的損失と合理的支出計3萬元の賠償を命じる判決を下した。五阿婆火鍋店はこれを不服として控訴した。四川省高級人民法院は二審において次のように判斷した。青花椒（イヌザンショウ）は四川料理の調(diào)味料として広く知られている。宿泊施設(shè)、飲食店のサービスと料理?調(diào)味料の間には自然発生的な繋がりがあることから、係爭商標(biāo)と「青花椒」の文字を含む料理名は識別する上で互いに混同が生じ、係爭商標(biāo)の顕著性を著しく低下させるものである。係爭商標(biāo)の弱い顕著性という特徴からその保護(hù)範(fàn)囲を過度に広げることは好ましくなく、そうでなければその他の市場主體の公正使用を妨害し、公平な競爭が行われる市場の秩序に影響を及ぼす。本件において、五阿婆火鍋店の看板に含まれる「青花椒」の文字は、その提供する料理である魚火鍋（海鮮鍋）に青花椒という調(diào)味料が含まれる特徴の客観的な記述であり、単獨の際立った使用ではなく、萬翠堂公司の係爭商標(biāo)を悪用する意図はなく、関連公衆(zhòng)の混同または誤認(rèn)を簡単に生じさせることはない。五阿婆火鍋店の行為は公正使用であり、商標(biāo)権侵害を構(gòu)成しないことにより、一審判決を取り消し、萬翠堂公司のすべての訴訟上の請求を卻下する旨の判決を下す。

　　典型事例の意義

　　本件二審判決では商標(biāo)の公正使用の認(rèn)定基準(zhǔn)が明確にされ、「権利には境界線があり、行使は誠実でなければならない」という「根本的な道理」が言及されている。二審判決は一般大衆(zhòng)の常識、一般的な心情および社會通念を十分に尊重し、誠実で、正當(dāng)な経営を行う小型?零細(xì)企業(yè)の正當(dāng)な権利利益および公平な競爭が行われる市場の秩序を法により守る內(nèi)容となっている。

　?。ㄊ吕龅洌鹤罡呷嗣穹ㄔ骸?022年中國法院十大知的財産権事件」）

　　事件の概要

　　1994年、「大頭兒子和小頭爸爸（大頭の息子と小頭のパパ）」95年版アニメ作品の監(jiān)督などの関係者の委託を受け、劉沢岱は「大頭の息子」「小頭のパパ」「エプロンのママ」のキャラクターの正面図を創(chuàng)作したが、雙方はこの著作物の著作権の帰屬についていかなる書面による契約も交わしていなかった。95年版アニメ作品のキャスト?スタッフ一覧には「キャラクターデザイン：劉沢岱」と記載されていた。2012年、劉沢岱は「大頭の息子」などの3件の著作物のすべての著作権を洪亮に譲渡した。2013年、劉沢岱と央視動漫集団有限公司（以下、「央視動漫公司」という）は創(chuàng)作委託契約および覚書を相次いで締結(jié)し、央視動漫公司が「大頭の息子」などの3つのキャラクターモデルについて氏名表示権以外のすべての知的財産権を保有する旨を取り決めた。その後、劉沢岱は上述の事実を確認(rèn)したことを説明する文書に署名し、かつ洪亮との譲渡契約の締結(jié)は誤導(dǎo)によるものであると宣言した。央視動漫公司はさらに1995年に劉沢岱が署名した聲明書を法院に提出した。この聲明書は3つのキャラクターモデルの権利が央視に帰屬することを確認(rèn)する旨の內(nèi)容であった。杭州大頭兒子文化発展有限公司（以下、「大頭兒子文化公司」という）は法院に提訴し、央視動漫公司によるその著作権の侵害を主張した。一審法院は次のように判斷した。雙方間で契約の締結(jié)により著作権の帰屬を取り決めていなかったことから、劉沢岱は3件の美術(shù)の著作物に対して著作権を有する。大頭兒子文化公司は譲渡契約に基づき上述の著作物の著作権を取得しており、央視動漫公司は使用許諾を受けていないことから、権利侵害を構(gòu)成し、権利侵害責(zé)任を負(fù)わなければならない。央視動漫公司の控訴および再審申立はいずれも卻下され、法により最高人民法院に上告した。最高人民法院は審理を経て判決を変更し、係爭著作物は委囑作品であり、氏名表示権以外の著作権およびその他の知的財産権は央視動漫公司に帰屬することを認(rèn)定し、大頭兒子文化公司のすべての訴訟上の請求を卻下する旨の判決を下した。

　　典型事例の意義

　　本件では委囑作品、法人著作物および特殊職務(wù)著作物の判斷基準(zhǔn)および権利帰屬の証拠の分析?認(rèn)定方法が明確にされ、特殊な歴史的背景の下の著作物の著作権者の権利保護(hù)にとっての參考となり、文化に係るイノベーション?創(chuàng)作の振興、優(yōu)れた文化的著作物の幅広い拡散の支援、文化産業(yè)の質(zhì)の高い発展の促進(jìn)にとって肯定的な意義を持つものである。

　?。ㄊ吕龅洌鹤罡呷嗣穹ㄔ骸?022年中國法院十大知的財産権事件」）

　　　先ごろ、國際的に著名な知的財産権関連媒體の「世界知的財産権評論」（World Intellectual Property Review、略稱WIPR）が2023知的財産権リーダー（2023 WIPR Leaders）ランキングを発表し、知的財産権分野で世界をリードする事務(wù)所と個人を選出した。集佳知識産権は卓越した専門性と業(yè)界內(nèi)での高い評価により、商標(biāo)非訟分野の最高ランクの「傑出事務(wù)所」および商標(biāo)訴訟分野「強烈推奨事務(wù)所」に選出され、集佳パートナーの趙雷弁護(hù)士が商標(biāo)非訟分野の最高ランクの「傑出個人」ランキングに選出された。

　　8月18日、第8回徐匯濱江法治フォーラムが上海市徐匯區(qū)漕河涇萬麗酒店（ルネッサンス上海漕河涇ホテル）で盛大に開催された。北京市集佳法律事務(wù)所は協(xié)賛団體としてこのフォーラムに參加した。

　　フォーラムでは、主催者の律新社が「精品知識産権法律服務(wù)品牌指南（最高レベル知的財産権法律サービスブランドガイド）（2023）」を初めて発表し、かつ申告と調(diào)査研究に基づき、専門家評議審査會、同業(yè)者の評価、顧客の評価などの多岐にわたる情報を総合し、専門サービスおよびブランドパフォーマンスに基づき、律新社2023年度知的財産権専門分野「ブランド影響力法律事務(wù)所」および「ブランドの星」弁護(hù)士を発表した。北京市集佳法律事務(wù)所は卓越した実力と豊富な訴訟経験により「ブランド影響力法律事務(wù)所」ランキングに選出され、集佳法律事務(wù)所主任、パートナーの李永波弁護(hù)士とパートナーの閆春徳弁護(hù)士が「実力弁護(hù)士」栄譽稱號を授與され、パートナーの侯玉靜弁護(hù)士が「匠心（クラフトマンシップ）弁護(hù)士」栄譽稱號を授與され、「集佳知識産権」公式アカウントが「専門セルフメディア影響力賞」を受賞した。